「とにかくすぐにでも英語を便わないと」という事情を抱えるビジネスパーソンは多いと思います。
そんなときに救いとなるのが「伝われば十分」というグロービッシュの考え方です。
グロービッシュは英語を学問ではなく、単なる意思疎通のツールとして捉える考え方です。「伝われば十分」という、現代のビジネスパーソンの実態に沿った、英語の勉強法です。
グロービッシュで使うのは基本の1500語とその派生語、1文は15語以内。シンプルで分かりやすい英語です。
高レベルの英語を要求していないので、手近な学習目標の目安に最適です。
英語を取り巻く状況は変わった
日本の多くの企業はグローバル戦略上、英語である程度のコミュニケーションが取れる人材を欲しています。
つまり、英語のスペシャリストではなく、普通の社員への英語力の底上げを求めています。
英語を話す相手が変わった
ビジネスにおいて英語を使う相手は、これまでは米国や英国などネイティブが主でした。
けれども今は中国やインドなど非ネイティブ相手がほとんどです。
英語を使うの7割が非ネイティブという推定もあります。
グロービッシュを取り入れた英語勉強法の心構え
①完璧な英語を目指さない
非ネイティブ同士の英会話なら、ブロークンイングリッシュも当たり前。完璧な英語を目指すより、まずは「伝わる英語」を目指そう。グ囗-ビッシュの英語は、難しい表現を使わないので、相手も聞きやすく、理解してもらいやすい。
②アウトプットを重視する
英語を「知っている」から「使える」にするには、英語を使う機会を増やし、場慣れしていくことが大切だ。
このため、グロービッシュには、アウトプットを重視する方法が向く。基本的な会話のやり取りでもいいので、すぐに言えるようアウトプットの練習を徹底的に繰り返そう。
③実務で使う英語に絞る
英語学習は一般的にゴールが見えにくいので、途中で飽きたり挫折しがち。自分の仕事に必要な英語は何か。使う状況は、電話応対か訪問営業か。今、英語を使っていなくても、具体的なシーンに落とし込んで、必要な英語だけを集中して学習しよう。
グローピッシュは「短く」「易しく」「能動態」で 実践
グロービッシュは「完璧を目指さなくていい、伝われば十分」と考える「英語を母語としない非ネイティブが使っている英語」の実態に基づいた、新しい英語の捉え方や表現方法です。
具体的には、「基本1500語とその派生語を使う≒1文は15語以内≒なるべく受動態ではなく、能動態を使う≒難しい単語は簡単な英語に置き換える」などの原則があります。
実例を見た方が分かりやすいと思います。
朝の会議に遅れてきたグロービッシュ実践者のAさんが、同僚と英語で会話。
本来であれば緑色で示した英語を話すところだが、Aさんはグロービッシュの考えに基づいた表現方法で会話をしています。
Aさん
グロービッシュ:I'm sorry,I'm late. Traffic was heavey
本来の分:I'm sorry, I'm late because l was stuck in traffic this morning. )
すみません。道が混んでいて遅刻しました。
ポイント①
短い文に分け、つけ足しながら話すグロービッシュでは、1つの文を15語以内で表現するのが基本です。まとめて話そうとせず、短い文に分けて。付け足しながらテンポよく話そう。この例の場合、「私は遅れた」「渋滞がひどかった」と2つに分けて話しています。
同僚B
No problem.
How do you commute to work?
いいえ。どうやって通勤しているの?
Aさん
グロービッシュ:I go to office by bus.it usually takes an hour.
本来の分:(l commute to work for an hour by bus.)
バス通勤です。普段は1時間かかります。
But today…
でも、今日は…
ポイント②
簡単な英語に置き換えて話す
グロービッシュでは、基本の1500語をベースに会話をします。
思いついた日本語表現をそのまま英語にするのではなく、内容が伝わるように言葉を置き換えて話す。例えば、「彼は同僚です」と言う場合、He works with meとすればいい。この例の場合は、commute (通勤)という単語を使わずに、バス通勤を説明しています。
同僚B
Yes, there is a traffic problem during
commuting hours in Tokyo.
ええ、東京の通勤時間帯は問題よね.
Aさん
Oh, speaking of a problem,
問題と言えば,
My boss told me to come to his desk after this meeting
(l was told by my boss to come to his desk after this meeting. )
上司からこのミーティングが終わったら席に来るよう言われていたな。
I'm worried about it.
心配だ。
ポイント③
受動態ではなく、能動態で話す日本語では、「~された」「~してもらった」などの受け身の表現が多い。グロービッシュでは、こういった受動態を、シンプルな能動態に変えて表現することを推奨しています。やり方としては、主語を変えること。この例の場合、主語を「私」ではなく「上司」にしています。
Let's try グロービッシュの発想で英語にしてみよう
問題
短い文に分け、つけ足しながら話す
①すぐに戻るからドアは開けておいてね。
point:「ドアを開けておいて」と「私はすぐに戻るから」と分けてみよう
②彼女は町の中心部にある商社で働いています。
point:「商社で慟いています比「商社は町の中心部にあります比分けてみよう
③彼は疲れているようだけど、仕事のしすぎかな。
point:「彼は疲れているようだね比「仕事のしすぎかな」と分けてみよう
簡単な英語に置きかえで話す
④彼は今、取り込み中です。
point:「取り込み中」は「忙しい」に言い換えてみよう
⑤無駄遣いしてはいけません。
point:「無駄遣い」は「意味のないことにお金を使う」と言い換えてみよう
⑥彼女はのみ込みが早いね。
point:「のみ込みが早い」は「学ぶのが早い」と言い換えてみよう
受動態ではなく、能動態で話す
⑦彼はみんなから好かれているね。
point:「みんな」を主語にしてみよう
⑧彼の発言には本当にがっかりさせられたよ。
point:「彼の発言」を主語にしてみよう
⑨この仕事を明日の朝までに仕上げるように上司に言われたよ。
point:「上司」を主語にしてみよう
答え
①Please keep the door open.
I'll be back soon.
②She works for a trading company.
It's located in the middle of town.
③He looks so tired.
He may be working too hard.
④He's busy right now.
⑤You shouldn't spend your money
for nothing.
⑥She's fast learner.
⑦Everyone tikes him.
⑧His words very much disappointed me.
⑨The boss ordered me to complete this job tomorrow morning.