「give=与える」ではダメ
「give」の用例はたくさんありますが、どれも同じ「イメージ」のうえでつかわれています。
giveを「与える」ではなく、「自分のところから何かを出す」とイメージしておけば、たくさんの用例を丸暗記しなくても、自在に使いこなせるようになります。
咳をする
She gave a cough.
彼女は咳をした。
*「体の中から咳を出した」ということ
照らす
The sun gives light.
太陽が光を照らす。
*「太陽が光を出している」ということ
応用編 give+副詞
give up
「何かを自分のところから上の方に出す。」「自ら出て自分自身を上の方に投げ出す」「やめる」「放棄する」「見放す」「諦める」など
give in
「何かを自分のところから出して、相手の中に入れる。自分から相手の中に入る」「提出する」「降伏する」「言いなりになる」
give out
「何かを自分のところから外(表)に出す。自ら出し切る」「配布する」「公表する」「尽きる」
日本人の多くは、giveと聞くと「与える」という日本語を思い浮かべますが、実際には「渡す≒認める≒生み出す≒提示する」など、覚え切れないほどの使い方があります。
それらを1つずつ丸暗記するわけにもいきません。どうしたらいいのでしょうか。
「咳をする」もgiveで表現
「基本語はどれだけ多彩な表現があっても、共通するイメージが必ずあります。例えば『give』は、『自分のところから何かを出す』というのがイメージです
giveには「咳をする-She gave a cough.l「照らす-The sun gives light.」といった使い方もありますが、それらもイメージをつかんでいれば、どうしてgiveを使うのか合点がいきます。
刑事が犯人を尋問する場面で「そろそろ吐け!」という時も、
”Ok now! give!”とgiveを使うことがあります。「あなたの胸のうちにしまっているものを出せ!」というニュアンスが伝わってきます。
また「置く」の印象が強い「put」はどうでしょう。イメージは「何かをあるところに位置させる」です。
このようにしてputを捉えていれば、「切手を封筒に貼る」と言いたい時でも、putが使えるかもしれないと考えられます。
実際、「80円切手を封筒に貼ってPut an 80 yen stump on the emvelopeと表現できます。
こういった基本語のイメージが頭に浮かぶようになると、日本語に置き換えずに、英語を英語の発想で捉えられるようになります。英語がぐっと身近に感じるはずです。
主な基本動詞と前置詞のイメージ
動詞
take 自分のところに取り込む
get ある状態にする/ある状態になる
have 自分のところに何かを持つ
go 視点があるところから離れていく
be 何かがどこかにある
put 何かをあるところに位置させる
drive あるものに働きかけて動かす
listen 耳を傾ける
前置詞
at ~のところに
by 近接して
for 目標を求めて
in 空間内に
on 接触して
to 対象に向き合って
off 接触した状態から分離して
about 対象の周辺/そのあたりに
「look」と「see」の使い分けも簡単
look 視線を向ける
see 目が何かを視野に捉える
「look」と「see」もイメージをつかむと、使い方を間違えない。「空を見てごらん」は、空を見ていない人が「空に目線を向ける」ので“Look at the sky" 「大きな木を見たよ」は、"I saw a big tree"となる。
なお、視線を向けるlookは、look at/around upなどと、視線の向く先の前置詞がつきます。